以前書いた文章 【記憶を刺激する写真 3】

親戚(大人です)の誕生会に招かれて撮りました。
スイスでは、大人になっても「お誕生会」を開く人が少なくありません。
高価なものでなくていいのですが、プレゼントは何にしようといつも迷います。


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秋を感じさせる美しい葉。
壁一面を覆い尽くす赤い色が、血を思い起こさせた。
あれは、小学校3年生くらいのことだったろうか。

ハサミを右手に仰向けに寝そべっていた私は、
なぜだかカシャカシャと空気を切り始めて、しばらく続けた。

そのうちに、目を細めてみたりまた開いてみたりと遊びは発展した。

私の遊びは更なる発展を遂げ、今度は左手をハサミに近づけたり離したりした。

ハサミの動きが面白かったのか。音が面白かったのか。

どちらだったのだろう。


そして、左手の指がハサミにぐっと近づき、また目を細めたとき、

ハサミは指を切った。一瞬だった。


血がじわじわと出てきたが、痛みはあまり感じなかった。

台所にいた母のもとへ駆けて行っても、血は止まろうとはしなかった。


こんな赤い液体が、本当に自分の体の中を流れている。

自分の不注意による小さなケガ。

でも「私は生き物として生きているんだ」と知った大事な思い出。


by s-la-suisse | 2018-01-24 19:27 | ■expression 以前書いた文章

スイス在住18年目、NPO法人 Global Press 理事。ライターとして、これまでに、およそ400本の記名記事を書いてきました。仕事のことなどを綴るブログです。since 9.Sep.2007


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