スイス便り「イードゥリ」 | 岩澤里美 | ジャーナリスト:■expression 以前書いた文章
2018-01-27T18:57:53+09:00
s-la-suisse
スイス在住18年以上、東京都認定NPO法人 Global Press(在外ジャーナリスト協会) 監事。仕事のことや、ちょっとした日常を綴るブログです。since 9.Sep.2007
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【以前書いた文章】 継続しようかな。
http://slasuisse.exblog.jp/238246397/
2018-01-27T18:55:00+09:00
2018-01-27T18:55:16+09:00
2018-01-27T18:55:16+09:00
s-la-suisse
■expression 以前書いた文章
過去6回分の《フォト+文章》は、これにて終了です
日本にいる友人が読んでくれて、
「自分の中の思い出がよみがえってきた、ありがとう」とメッセージをくれました!
楽しかったこと、つらかったこと。
忘れている思い出は、誰でもたくさんありますよね。
前に撮った写真から選んだり、新たに撮ったりして、これからも、ときどき書いてみようかなと思っています。
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以前書いた文章 【記憶を刺激する写真 6】
http://slasuisse.exblog.jp/238246377/
2018-01-27T18:46:00+09:00
2018-01-27T18:46:26+09:00
2018-01-27T18:46:26+09:00
s-la-suisse
■expression 以前書いた文章
活気に満ちた町で、気に入りました。
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こんなふうに霧が深いところを、
長い時間、歩いていたことをがある。一人で。ゆっくりと。
そこは、スイスのとある場所だった。
そうやって自分のいる場所が分かっているというのに、歩いている間、私は不安だった。
周りに、誰も歩いていなかったからかもしれない。
お店も全然ないような、寂しい場所だったからかもしれない。ただ怖かった。
これまでに、同じような 感覚を味わった。
田舎から東京へ引っ越したとき。
東京からイギリスへ、そして、イギリスからスイスへ移り住んだとき。そのほか、いろいろ……。
知らない場所、 知らない人の中に入ることは
楽しみでもあるけれど、怖さも伴う。
だから、できれば最小限にしたいと思ってきた。
けれど、いまはその怖さを積極的に味わいたいと思う。
写真にあるように、バスが通り、それに乗って必ず霧から抜け出ることができるとわかったから。
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以前書いた文章 【記憶を刺激する写真 5】
http://slasuisse.exblog.jp/238243693/
2018-01-26T23:34:00+09:00
2018-01-26T23:37:37+09:00
2018-01-26T23:34:20+09:00
s-la-suisse
■expression 以前書いた文章
リールを訪れたときに撮りました。
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パンを焼いて、パン屋になりたい。
そう思ったのは、小学2年生の社会見学で町の大きなパン工場を訪れたとき。たくさんのパンが作られる工程に「すごいなぁ」とただ感心し、菓子パンの甘い香りに、すっかり参ってしまった。
私が育った家では朝ごはんも米飯だったから、家でパンを食べることは、それほど多くはなかった。それだから、パンを買ってきて食べるというのは少し特別なことだった。
成長するにつれ、家でパンを食べる機会は増えた。
学校の近くにあったパン屋さんでは、友だちとパンを買って分けあったことを覚えている。
大きなスーパーの一角に構えていたパン屋では、チョココロネがお気に入りだった。
店内が鏡張りでキラキラ輝いていたお洒落なパン屋では、食パンを買うことが多かった。
駅前の小さなパン屋さんは、種類は少なかったけれど開店時間が長いのがよかった。
町のあちこちにあったパン屋さんはすべて、いまは私の心象だ。
田舎に帰ると、パン屋がなくて寂しい。
いや寂しいのは、たくさんの住民が都会へ出ていって、この町でパンを買う人が減ったことのほうだ。
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以前書いた文章 【記憶を刺激する写真 4】
http://slasuisse.exblog.jp/238239106/
2018-01-25T15:51:00+09:00
2018-01-25T15:51:06+09:00
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s-la-suisse
■expression 以前書いた文章
人がほとんどいなくて、
この時計が、妙に自分に迫ってくる感じがしました。
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駅の時計はいつも、シンプルで見やすい。
そういえば、私も、こんな円型のシンプルな壁掛け時計を
仕事部屋で使っている。
東京で一人暮らしを始めた記念に買った時計だ。
イギリスへ渡るとき、たくさんの持ち物を処分したが、
この時計は手放す気持ちになれなかった。
スイスへ渡るときも、心機一転して新しい時計を買おうという気持ちに、どうしてもなれなかった。
普段はもちろん時間を見るために使っているが、時折、ふっと、あの東京の住まいや
イギリスの部屋にいるような感覚になる。私の円形の時計には、過去の時間も流れている。
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以前書いた文章 【記憶を刺激する写真 3】
http://slasuisse.exblog.jp/238236323/
2018-01-24T19:27:00+09:00
2018-01-24T19:27:58+09:00
2018-01-24T19:27:58+09:00
s-la-suisse
■expression 以前書いた文章
スイスでは、大人になっても「お誕生会」を開く人が少なくありません。
高価なものでなくていいのですが、プレゼントは何にしようといつも迷います。
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秋を感じさせる美しい葉。
壁一面を覆い尽くす赤い色が、血を思い起こさせた。
あれは、小学校3年生くらいのことだったろうか。
ハサミを右手に仰向けに寝そべっていた私は、
なぜだかカシャカシャと空気を切り始めて、しばらく続けた。
そのうちに、目を細めてみたりまた開いてみたりと遊びは発展した。私の遊びは更なる発展を遂げ、今度は左手をハサミに近づけたり離したりした。ハサミの動きが面白かったのか。音が面白かったのか。どちらだったのだろう。
そして、左手の指がハサミにぐっと近づき、また目を細めたとき、ハサミは指を切った。一瞬だった。
血がじわじわと出てきたが、痛みはあまり感じなかった。台所にいた母のもとへ駆けて行っても、血は止まろうとはしなかった。
こんな赤い液体が、本当に自分の体の中を流れている。自分の不注意による小さなケガ。でも「私は生き物として生きているんだ」と知った大事な思い出。
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以前書いた文章 【記憶を刺激する写真 2】
http://slasuisse.exblog.jp/238233037/
2018-01-23T19:08:00+09:00
2018-01-24T18:49:29+09:00
2018-01-23T19:08:30+09:00
s-la-suisse
■expression 以前書いた文章
この辺りにも、スイスの大自然を楽しむために観光客が行きます。
ワッと押し寄せることはありませんが。
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子どものころ、ここで降りますと知らせるバスの降車ボタンを押すのが嫌いだった。
あの音がおもしろいと感じる子は多いだろうから、
押したがる方が普通なのだろうが、味気ないあの音を聞くのも、
自分が降りる場所を運転手やほかの乗客に知られることも、嫌だと感じた。
バスに乗ることは数えるくらいしかなかったものの、
いまでも鮮明に残るシーンは、母の田舎でバスに乗ったときのこと。
働いていた母は、私や私のきょうだいを祖母によく預けた。
そこは冬には雪深くなる山の村だったから、
一番近くの医師のもとへ行くにも歩いてでは不便だった。
私のかかりつけの歯医者は育った町ではなく、その村の付近にいた。
ある日、歯医者に一人で行き、
治療が終わって祖母の所へ戻ったとき、小さな失敗をした。
祖母のところの停留所が近付いてきても、どうしても
降車ボタンを押す勇気が出なかった。乗客は、私のほかには誰もいなかった。
ああ停留所を通り越してしまった。
様子が変だと思ってくれた運転手が声をかけるまで、
私は何もできずにバスに揺られていた。
どこの国でバスに乗っても、このシーンがいつもよみがえってくる。
あんなに小さなことにこだわったのが、自分ではない気がしつつ。
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ずっと前に書いた文章です 【記憶を刺激する写真 1】
http://slasuisse.exblog.jp/238233035/
2018-01-23T19:06:00+09:00
2018-01-27T18:57:53+09:00
2018-01-23T19:06:09+09:00
s-la-suisse
■expression 以前書いた文章
ヨーロッパ式の洗濯物を干すスタンドです。これは親戚宅で撮りました。
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洗濯物を木製の洗濯バサミで、ビニル製のワイヤーに干すということを知ったのは、
イギリスで居候生活したときだった。
洗濯バサミを「ペグ」と英語でいうのを知ったのも、その家の居候になって、
私とあまり年齢が変わらない女性家主が教えてくれたときだった。
日本のようなプラスチック製でも、イギリスの木製でも、
洗濯バサミの小さな跡が乾いた洋服に残るのが同じだったことは、
自分だけの小さな発見のような気がした。
ある日、彼女と私の2人ともが庭に洗濯物を干していた。
雲行きが怪しくなり雨粒が落ちてきたのは、
彼女が買い物へ行ってから間もなくのこと。
果たして雨足がひどくなるかどうかは分からなかったけれど、
急いで庭へ出て、洗濯物を取り込んだ。まずは自分のものを。
そして一瞬迷って、彼女の分も。
私たちは食事も洗濯も掃除も自分のことは自分でというスタイルだった。
それはお互いにとって、とても心地よかった。
だから、彼女の洗濯物を取り込むことはおせっかいかもしれないと迷ったのだ。
案の定、帰ってきた彼女は言った。
「ありがとう。でも、そのままにして濡れてしまってもよかったのよ」
そんな彼女とも、私がスイスに住んで数年したころにパタリと音信が途絶えた。
が、1年前、忘れていた記憶の中からこの洗濯の思い出が浮かんだ。
「いつか、ぜひ会いましょうよ」と彼女から突然のeメールが届いて。
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